今日も二人でLサイズを食べた
でもこの後話さなければいけないことで、頭がいっぱいの私は
味なんて、わからなかった

食べ終わって少ししてから
私は切り出した

「リクちゃん、あのね」

「なに?」

リクちゃんのいつもの優しい笑顔
もう見れないのかも、と思うと泣きそうになる
できれば、言いたくないと思いながら
私は無理矢理言った

「私、結婚することになったの」

ほんの少しだけリクちゃんの時が止まったのが分かった
でも、すぐ、笑顔に戻った

「つぐみちゃん、マジで!?おめでとう!よかったね!」

祝福の言葉・・・
思った通りだね

「うん、ありがとう・・・」

「まあ、そんな事だと思ったけどね。指環キラキラしてるしさ」

リクちゃんが私の右手を指差す
なんか今日は鋭いなぁ
私は、力が抜けてヘラッと笑った

「じゃあ、こうやって会うのも今日で終わりにしないとね」

私が言わなきゃいけなかった
でも本当は言いたくない言葉が
リクちゃんの口からスルスルと出てきた

それを私は聞き間違いの様な気がしながら聞いていた
何も言えなかった
何か言ったら一気に泣いてしまいそうだった

「つぐみちゃんの番号も消すね。あったら、かけちゃうかもしれないから俺」

そんなこと
言わないで
番号は、消さないで

「・・・うん」

私は、顔を上げずに返事だけをした
リクちゃんの目が
どうしても見れなかった

見たら

「消さなくたっていいよー!!」

と、明るく冗談でもなんでも言って
繋ぎ止めてしまいそうだったから

「幸せになってね」

リクちゃんの言葉に

私は下を向いたまま、黙って頷いた