「えぇー!結婚!?」

翌日、
カミちゃんにプロポーズされた事を
報告した

「私も全然実感がわかないんだけどね」

仕事中も右手に光る指環が視界に入る度に、
あぁ、私は結婚するのかと不思議な気持ちになった

「具体的な日取りとかもう、決まってるんですか?」

「うん。一応、年明けに両親に挨拶に行って、式は秋頃の予定かな」

結婚式の準備も色々とあるだろうし、
その間に新居も決めたいし

「そっかぁ・・・楽しみだなぁ、つぐみさんの結婚式」

カミちゃんがうっとりしている

結婚式か・・・
私もこの間のミキちゃんのように
トモの隣で幸せそうに微笑んだりするのかな
女友達に、羨ましがられたりするのかな

「じゃあ、リクちゃんとはお別れですね」

カミちゃんの言葉で
妄想に入りかけた私は
急に現実に引き戻される

「そうなんだよねぇ・・・」

こうなった以上
リクちゃんの事はちゃんとしなくちゃいけないのは分かってる

さすがに結婚となれば、他の男の子と遊んでいるわけにはいかないし

ましてリクちゃんとは
キスまでしてしまった仲の訳だし

「早めに話そうとは思ってるんだけどね」

「そっか、リクちゃん悲しむだろうなぁ」

リクちゃんはなんて言うだろう
彼のことだから
おめでとうと笑って祝福してくれるんだろうか

私はとにかく
さよならを言うのが

とても憂鬱だった