「美味しいー」

「でしょー!?」

ジュウジュウと音を立てて私達は勢いよく、もんじゃを食べた

リクちゃんの態度はいつもと特に変わらない
私はそれがありがたかった

「そうだ、これ地元のお土産」

食べ終わって落ち着いてから
リクちゃんに地元の有名なお菓子を渡した

「わ、ありがとう。そんな気を使わなくてもいいのに・・・これ美味しいよね」

リクちゃんが恐縮した

「あのあと、彼氏とも仲直りできたの。ごめんね私、酔っぱらってリクちゃんに迷惑かけちゃったね!」

わざと明るく言うと、リクちゃんもカラッと笑ってくれた

「ホントひどいよー!酔っぱらって俺のファーストキスまで奪っといて。でも彼氏と仲直りできて良かったね」

私も自然と笑いが漏れた

もちろん、あんな上手なファーストキスがあるはず無いのは知ってる

冗談にして笑い飛ばしてくれるリクちゃんに私はそのまま甘えた

「ま、完全に信用してるわけじゃないけど。でももっとお互いに思った事を言いあおうねって話し合ったの」

「そっか。なんかいいきっかけになったね」

確かにこんな事がなければ私とトモはダメになっていたのかもしれない

「まだ食べるでしょ?つぐみちゃん、選んでいいよ」

リクちゃんにメニューを手渡された

「あ、うん。どれにしよっかな」

こんなに優しく気づかってくれる人を
やっぱり手放したくないと
私はその時、欲深くも強く
感じてしまっていた