「えぇ!?リクちゃんは圏外だったんじゃないんですかぁ?」

「うーん・・・まぁ、そうなんだけど。でも、リクちゃんは優しいし純粋だし絶対裏切らないと思うんだよね」

リクちゃんなら私を
幸せにしてくれるような・・・
今ならそんな気がする

「リクちゃんは、つぐみさんの事が好きなんですよねー?え、リクちゃんとは、そのぉ・・・」

カミちゃんが言わんとしている事は分かる

「なーんにも、してないよ。ふざけて手を繋いだくらいかなぁ」

「そっかぁ・・・え、心が揺れたりはしないんですか?」

カミちゃんの言葉に
私は自分の微妙な心の揺れを
思い出してしまった

リクちゃんに触れて欲しいと思ってしまった事

私だって想像しちゃってるんだ

リクちゃんも想像してるのかな

「んー・・・微妙、かな?」

私は返事を濁してしまった
なんだか本当の事をカミちゃんに言うのが恥ずかしい

今無性に、リクちゃんに会いたくなっちゃったなんて絶対に言えない

それから私はわざと飲み続けて
無意識に泥酔状態に向かっていった

こうゆうのを、確信犯と言うのだろう

「あ、ヤバイ!終電ギリギリ!つぐみさんは電車大丈夫!?」

そのうち、カミちゃんが慌てだした

「あ、もう無いけどぉ、私ホテルに泊まるから大丈夫。カミちゃん急いで行って。お金払っておくよ」

「わー、すみません!休み明けに返しますね!」

カミちゃんが急いでお店を出て行くのを見送って私はリクちゃんに電話をかけた

酔いすぎて、リクちゃんの番号を出すまでにものすごい時間がかかった

「もしもしぃ?リクちゃぁん?」

呂律も回らなかった

「つぐみちゃん酔ってるの?」

「ん・・・ねぇ、終電乗り遅れちゃったのぉ・・・迎えきてぇ」