そして私が乗る電車の改札の前まで来てリクちゃんはやっと言いずらそうな顔をしながら口を開いた

「つぐみちゃん、いきなりナンパしておいて今さら聞く事じゃないんだけど・・・本当はちゃんと先に聞くべき事だったと思うんだけど・・・」

「えー、なぁに?」

めずらしく真面目な顔で真面目な声を出して
緊張しているのがこっちにも伝わってきた
なんだか弱った捨て犬みたいに見えた

「つぐみちゃん、可愛いし彼氏いるよね?俺なんかと会ってていいのかな?」

なんだ、そんなことかと思った

「うん、いるよー。別に、彼氏忙しくてなかなか会ってくれないし。またご飯食べ行こうよ」

「え・・・?いいの?また会ってくれるの?」

リクちゃんはきょとん、としている
私は電車の時間が近づいているのが気になった

「うん。あ、そうだ。リクちゃんのメアド教えといて」

「え、あ・・・うん」

私はリクちゃんとメアドを交換すると、急いで改札を抜けて立ちすくむ彼に手を振った

「またねぇ!バイバイ!」

そしてホームまで走った

とにかくお腹がいっぱいで苦しかった