着替えて簡単にお化粧直しをした
デートだと思ってもいないし
ドキドキもしない

ただ一緒にご飯を食べる人が居るのが嬉しい

駅前の階段を降りて広場へ行くと
リクちゃんがベンチの前で立っていた

ベンチがあるのになんで立っているんだろう変な人だなぁ、と思いながら近づくと
彼はガチガチに緊張した顔をしていた

私は面白くて笑いたいのをこらえながら

「こんばんはぁ」

と、言うと

「お疲れ様です!」

と、深々と頭を下げられた

「お腹すいたねぇ」

「あ、つぐみちゃん何が食べたい!?イタリアン?フレンチかな?」

「私どうしてもオムライスが食べたいんだ」

最近オープンしたオムライスの専門店
お店のスタッフの間でも人気で
私だけまだ行った事がなくて
この間テレビにも出てきて、どうしても行きたくて
今日はずっと、オムライスのことばかり考えていた

「え!オムライスでいいの?」

彼は色々調べてきてくれたのだろう
急に拍子抜けしたような顔をした

「うん」

私が頷くと

「そっか!よーし!行こう!」

顔をクシャクシャにして笑顔になった

動物園に小さい娘を連れていくお父さんのようなノリで
面白かった