「あの、受け取って貰えるだけでいいんで!お願いします!」

異常に低姿勢な上に彼の声はデカいので、駅前で私達はすごく目立つ光景となってしまっていた

確実に私達を見ている何組かの笑い声が聞こえてくる

恥ずかしくてこの場から逃げ出したくて私はそのティッシュをクマの手から引ったくるようにすると小走りに駅へと急ぎ改札を抜けた

久しぶりに走って息が切れた

ホームに着くと、さすがにもうさっきの光景を知る人も居ないだろうとホッとした

電車もすぐに滑り込んできたので乗り込んでティッシュも無意識にどこかにしまうと、クマの事なんていつのまにか忘れてしまった