舞い散る花の導く先に

どれくらい、眠っただろう?

ふっと目を覚ますとそこは見慣れない部屋だった。

ここは、どこ?

そして自分を包んでいるぬくもりに気づく。

呉「え・・・?」

私はどうやら沖田さんに抱きしめられているようだ。

沖田さんは瞼を閉じたまま動かない。

眠っているのだろうか?

そっと起こさないように起き上がる。

障子を開けると満月が浮かんでいた。

もう、夜なのだ。

宴会はどうなっただろう?

私はいつ帰ってきたのだろう?

そんなことを覚醒したばかりの頭の片隅で考える。

そして肩にかかっているものに気づく。

呉「これは?」

鮮やかな赤い、小袖だ。

誰のものだろう?

そんなことを考えつつも満月を見上げる。