舞い散る花の導く先に

突然の私の問いに驚いた顔をする桂さん。

呉「あ、いえ！なんでもないんです！！」

いきなりこんなことを言われれば普通驚くだろう。

慌ててその場を取り繕うとする。

すると桂さんはそっと私の髪についた桜の花びらを取る。

桂「久しぶりだね。お濃」

姿も声も話し方も全部違う。

だけど、その私を呼ぶときのやさしいまなざしと温かい手は以前と変わらないままだ。

呉「っ信長様！！！！」

私は勢いよく抱きつく。

桂「よく気づいたね。気づかないかと思ったよ」

呉「あなたの手を忘れるわけがありませんわ！！また、また逢えたのですね・・・・」

涙を流しながら顔をあげると優しく涙を拭ってくれる。

桂「ああ。でも今日はもう時間がない。また3日後にここにいるからおいで。」

呉「はい！必ずまいりますわ！！」

そしてそっと桂さん。いいえ、信長様は私の体を離す。

そしてまたといい歩き出した。