舞い散る花の導く先に

あたりを見渡すが見覚えのない屋敷だ。

出口はどこ?

そんなことを思いながら走りだす。

すると後ろから足音が聞こえた。

「へえ。君、縄を解いちゃったんだ?」

私は声のする方へ体を向ける。

見ると若い男のようだった。

「だめじゃないか。ちゃんとつかまってなきゃ。」

私はその男の言葉を無視して走り出す。

「あーあ。逃げちゃった。そっちに行ったよー一くん。」

男が後ろで叫ぶ。

するとすっと私の前に一と呼ばれる男が立ちはだかる。

「どこにいくつもりだ?」

「くっ!!」

前も後ろもふさがれた。

こうなったら庭しかない。

私は庭に飛び降りる。