舞い散る花の導く先に

体が重い。

それに、殴らた部分がずきずきと痛む。

そんなことを冷静に頭の片隅で考えながら私は目を覚ます。

「・・・・ここは?」

気が付くと私はどこかの屋敷の一室に寝かされてた。

「んっ・・・・」

動こうとすると手と足が縛られている。

だけど、思いきりではなく動けない程度にだ。

この程度の縄ならばきっとほどけるだろう。

縄抜けは前世からの得意技の一つだ。

私は腕の縄に少し力を入れてはらりと解く。

そして自由になった手で足の縄もほどく。

そっと立ち上がり襖を少し開ける。

廊下に見張りはいないようだ。

私はさっと部屋から出る。