舞い散る花の導く先に

呉「沖田さんが困った顔されていたので・・・」

しゅんとうなだれる呉羽はまるで子犬のようだ。

沖「そんなことないよ。ただ、君が僕の思った以上の女の子だったから驚いただけ」

呉「え?」

沖「僕は君のこと初めはただ守られて生きてきた女の子だと思ってたんだ。」

面食らったような顔をする呉羽。

呉「そうなんですか・・・」

沖「うん。なにも知らずに守られて生きてきた守られる側の女の子なんだって、でもさ」

呉「でも?」

沖「現実は逆だったみたいだね。君はみんなを守る側の女の子だ。一つ質問していい?」

呉「なんですか?」

沖「君はなんで時々とても冷静な瞳で物事を見つめるの?」

呉「え?」

驚いた瞳がこちらを見つめる。

沖「なんだかすべてを受け入れているような瞳をしているからさ。」

呉「それは・・・」

前世の記憶があるからなんて言えない。

私はなんて言ったらいいのかわからず黙ってしまう。

するとぽんっと沖田さんが頭に手を置く。

沖「答えられないんなら無理しなくていいよ?君もため込むのはよくないってことをいいたかっただけだからさ」

呉「ありがとうございます」

沖田さんは私がいろいろ悩んでいることを気付いていたのだろうか?

新選組のみんなは本当に温かい人たちばかりだ。