舞い散る花の導く先に

呉「はあはあっ・・・・お、沖田さんやはり強いで、すね・・・」

私は木陰に座りながら息を弾ませ言葉をはっする。

沖「あはは。呉羽ちゃんの方が強いじゃないか」

その反対に沖田さんは涼しい顔をして道場の入り口に腰掛けている。

全然疲れていないみたいだ。

呉「沖田さんは心も強いんですね。心の中心に芯が通っているから迷いなく剣を触れるんですね」

沖「呉羽ちゃん。よくこの短時間で僕のこと観察したね」

呉「剣を交わらせればその人の心はわかるんです」

沖「へえ。すごい芸当だね」

すると呉羽は立ち上がり沖田の隣にそっと腰掛ける。

呉「でも、時には迷っていいんですよ?」

沖「え?」

呉「迷わないっていうのはすごく難しいんです。だって、いつも答えを見つけ出さなければならないから」

沖「呉羽ちゃん・・・」

呉「でも、時には答えを見失ってもいいと思います!!悩んで悩んで、そうすればきっと正しい答えは見つかりますだから!!」

私は沖田さんの目をまっすぐに見つめる。

呉「迷うのを恐れないでください。」

そう告げる呉羽の瞳はどこまでも澄んでいた。

まるですべてを包み込むような瞳。

僕はおもわず苦笑いをこぼす。

沖「まいったなあ。そこまで知られてると思うと僕なんだか恥ずかしいんだけど。」

呉「え、あ、す、すみません!!」

沖「あはは。なんで謝るの?」