止まらない涙を流しながら空を見上げていると後ろから近づく気配がある。

私は慌てて涙を拭い振り向く。

そこには土方さんが居た。

呉「土方さん・・・・」

土「呉羽、お前こんなところでなにしてんだ?」

呉「あ、いえ、別に逃げようとかそういうのじゃなくて!!!」

私はしどろもどろに答えることしかできない。

すると土方さんはじっと私の瞳を見つめる。

泣いていたのわかってしまうかな?

なんとなく目を逸らしてしまう。

土「心配するな。お前が逃げねえことぐらい知ってる。」

そして言葉を続ける。

土「なにか思い出していたのか?」

呉「・・・・はい。」

土「そうか・・・」

そう言ってそっと私の頭を包み込む。

呉「ひ、土方さん?」

土「思い出すのは構わねえが一人では泣くな。余計悲しくなるだろ?」

呉「っ・・・」

どうしてこの人はこんなにも優しいのだろうか?

信長様とは違う強さの中に秘めてある優しさ。

土「お前が泣き止むまで俺が傍にいてやる。だから我慢するんじゃねえ。」

呉「はい・・・・」

私は土方さんの言葉に甘えて子供の用に泣いた。