舞い散る花の導く先に

呉「ああ、綺麗・・・・」

私は今約束の桜の前に来ています。

そう、今日は信長様との約束の日。

沖田さんが私をここまで連れてきてくれた。

きっと、もうすぐ桂さんはくるだろう。

呉「濃姫?さあ、出てきて?」

濃姫に語りかけるとドクンッと鼓動が高鳴り始める。

そしていつもならば意識が途絶えるのに今日は途絶えない。

だけど、体にある意識は私のものではない。

私は今宙から自分を眺めているような、そんな感覚だ。

「お濃」

呼びかけられて反射的に振り向く。

「信長様!!!」

私は、いいえ、濃姫は信長様の元へと駆け出していた。