「あっ……。」 顔をあげると、どうしたの?、とおばちゃんがグレープを差し出していた。 「あっ、ありがとう。えと、175円。」 「はいよっ、明日は楽しみにしててねー♪」 「うん。ありがとう…。」 あたしは、来たときとは正反対の、重ーい足取りで小野寺洋菓子店を出た。