「杏……?」 と目をゆっくり開けて、舌足らずな声で呟く優はどうやら夢から抜け出せたようだった。 「どうしたの?優がうなされてたから心配になって起こしちゃったよ」 ……良かった。 もう苦しそうな顔はしてない。 でも何か不安そうな顔をしているように見える。 「……なんでもない」 口を開こうとしない優。 だけど、あたしを掴む手はいつもより強くて……。 「お水飲んで落ち着こうよ。ちょっと待ってて」 あたしが優に掴まれた手を離そうとすると……。