* * * 「完璧怒らせちゃったよ……どうしよう」 今日の優……いつもより冷たかった。 それにため息まで吐かれちゃった。 目が覚めるまで気が付かなかったけど、目が覚めてからはちゃんと分かった。 あたしが抱き着いていた人は優じゃない。 あたしを引き離した人が優だった。 きっと間違えて抱き着いちゃった人は優のお兄さんの圭斗さんだ。 いつもは間違えたりしないのに…… 今日はこんなに頭がぼーっとするからかな。 「本当は……優にチョコレートを渡したかっただけなのに……」