ふるふると震える拳と、眩暈で倒れてしまいそうな意識を行ったり来たり。

 そしてオレの背後からひょっこりと顔を出してきた、彼女。

当然、ソレを見て今度は耐えることすらせずにゲラゲラ笑い出す。


「ショーの写真ですよ」

 あのひ弱な彼はどこに行ったのやら。

だが、確実にオレの応援者ではないことは確かのようだ。

「こんなものォ!」

 オレは写真を手にかけてビリビリに引き裂くつもりだった。

それなのにヒョイと奪ったのは、言うまでもなく、彼女。


「オトメくん、頂いていいかしら?」


 悪魔に見えるのは、オレだけなのか?


「ええ、もちろんですよ」

 その答えの瞬間、オレの脳内で一つの判決が出た。


 彼は彼女の手下、決定。


「ふ、ふざけんな!」

 取り返そうと彼女の手首を掴んだ瞬間だった。

閃光が走り、同時に風を切るのは彼女のもう片方の手首。


 しまった……!


気づいたときには、もう遅い。

「セクハラ退散ーっ!!」


 スッパァァアアン!!