ステージの最先端について、もう一度彼女とターンするとき、袖をすかさずチェックする。

すると、顔を出していた実行委員長でもある彼が、ハッと何かに気付いたように顔を引っ込めた。


 ──犯人はアイツだ!

オレが確信を掴んだ瞬間、隣から背は筋を凍らす彼女の声。


「ほーら、笑いなさいよ……?」

 彼女にバレるくらいなら、ハリセンのほうがまだマシだっ!!

いや、本当はどちらもイヤだけど!


 握られた手に、更に力が込められた。


「──ヒマワリちゃん?」


 そこには、やはり弱気な彼女の影も見当たらず。

あるのはオレを今にも脅し始めようかとする、不敵な笑み。






 くっそぉー、覚えてろよぉーっ!!



 虚しくも、心の中で叫ぶ以外、方法はなかったのだった。



.