「お前が女を泣かすとわなぁ…」

「は?」

「また遊びで手出すのか?」

「お前に言われたきゃねぇよ…」

「あはっ♪だな♪でも…俺は本気だよ?」

は…?

慎はマジメな顔で言ってきた。

本気…?

慎は紫苑の事が好き……?

ズキッ

ズキッ

また、胸が痛みだした…。

「今までの女とは全部切ったよ…」

あの遊び人の慎が

そこまでするとは…

「蒼はシィちゃんが好き?」

俺は

俺は紫苑が好き…?

慎も紫苑が好き…。

「なわけねぇじゃん…。俺が女に本気で惚れるわけねぇだろ。」

「まだ二年前の事気にしてんの…?確かに、シィちゃん感じが似てるよね…。海風に…(うみか)」

ズキンッ

海風…

俺は忘れちゃいけねぇんだ…

もぅ人を本気で愛しちゃいけねぇ。

本気で惚れちゃいけねぇ。

二年前、俺は心に決めた。

「俺は…もぅ人を愛せない。」

もぅ…海風が死んで

二年経つ…。