背は李莉より少し高め。なので私より低い。
顔立ちはまだ幼い。中学生か高校生の境目くらい。着ているのが詰襟の学ランなんで、判断がつかない。
容姿はまあ、整っている。かわいい系だ。李莉といい勝負だ。男の子だけど。
華奢な体つき。
印象的なのは茶髪の猫っ毛。
ふわふわしていて、さわり心地はよさそうだ。


さて、脳内査定が終わったところで。




「これが例の拾い物?」

「そうそう」


やっと人の肩さきから顔を上げた李莉は、少年を手招きする。



「かわいいでしょ~。なんか拾っちゃった」


ツッコミ待ちか。
そうじゃないのか。

それで対応を変えようかな。


「ま、詳しくは中で話すね。じゃ、お宅はいけーんっ」

「…あっ」


さんざん人を振り回して、家主より先に部屋に入りやがる。


相変わらずだ、李莉は。



三年経っても中身は変わらない。
それを体現する困った幼馴染。


そしてこれから、私は本格的に困らせられることになる。