振り返ると、手ではしっかり片付けしつつ光輝君がこちらに笑みを向けていた。







「…私、口に出していた?」


「はい」




体中が熱くなった。



何てことだ。

こんなちょっとヤバいかもしれない思考回路をだだもれにしていたなんて…っ。いや、光輝君にきかれたくらいでそれがどうしたという感じだが、これが他の人の前でも万一発揮されてみよう。ヤバい女認定されるに違いないていうか、私だったらする、絶対する。



両手をついて顔を下に向けて悔やんでいると、急に後ろから抱き着かれた。




「ぅわっ」

「大丈夫ですよー、めーちゃん」



顔の横から覗き込んでくる光輝君は、にっこりとほほ笑む。



「めーちゃんみたいな切ない系女子の皆さんは、見守ってくれる優しいお兄さんに守られるんです」



思いがけぬ優しい言葉に、少しだけ胸がときめいた。




て、何ときめいているんだ私。五つも下の少年にときめいてる場合じゃない。



ていうか、顔近いぞ少年っ。



「ありがとね」



さりげなく光輝君の腕から逃れて、片付け再開。







とりあえず晩餐は幕を閉じたのだ。