気が付けば、朝になっていた。


どうやらあのまま光輝少年のゴッドハンドにやられてしまったらしい。




起き上がってみると、ベッドにりりと光輝少年まで乗っていて、所狭しを体現していた。


朝特有のけだるさが混じった頭で二人を見下ろす。

身を寄せるように丸まって眠る光輝君に、私の腰に抱きついて眠るりり。





ああ、何なんだろう、本当これ。





とりあえずりりの腕を剥がして、立ち上がる。


テレビのスイッチを入れる。いつもと違う朝の番組がかかって、そういえばりりたちが楽しそうに普段の私なら絶対見ることがないであろうバラエティ番組を眺めていたのを思い出す。
ああ、きっとこういう人種のためにあの番組は存在するのだろう。だとしたら、需要と供給が尽きることはないだろう、ていうかきっとこの先もしばらく生命線は長々と続いているのだろう、よかったねうん。

なんて適当に考えながら、いつものチャンネルにかえる。


表示された時刻を見れば、朝の八時になりかける七時五十七分。


いつもより遅い。

のんびりしてしまった。朝の時間は貴重なのに。


そういえば、昨日はあのまま寝たからお風呂入ってないじゃん。
入ろう、うん。


ぼんやりとする体を叱咤して、洋服棚から着替えを用意する。

そして振り返って、ぎょっとした。


至近距離にりりが立っていた。



「うわっ、何!?」


「めーちゃんどこいくのぉ?」



舌たらずな口調で、りりが目を擦りながらたずねてきた。