「さっすが、めーちゃん!!やっぱり困ったときは、めーちゃんだねっ」



私には幼馴染がいる。

幼稚園に入る前から――年齢イコールの付き合いになる、幼馴染。



自由奔放、天真爛漫、とにかく怖いもの知らず。

カワイイ外見とは打って変わって自由すぎる思考回路を有する彼女は、私の知る限り“失敗やら敗北やらの文字なんて私の辞書にはありません”ていう人生を歩んでいる。



なんでそんあ順風満帆な人生を歩めたか、て。

そんなんちょっとでも困ったら全部私になすりつけてくるからだ。



「めーちゃんお願いっ」



そういえば、私がなんでも片づけると思ってる困った幼馴染のおかげで、私の人生は彼女の舞台裏を担っているんじゃないかと錯覚できるくらい地味だ。

地味の一言に尽きる。



中学の時。
学級委員長になった彼女を支えたのは、“平”学級委員だった私。

一部女子のいじめにあった時、助けに行って気づけば矛先を向けられていたのは、“助け役”の私。

試験の度。
テスト対策ノートを作り、クラス一位にしてあげたのも私(何か知らないけど、何でか一番にならないでっいじめられちゃうから!!て言われて、私はずっと平均点をとり続けた)。

高校の生徒会に彼女が入った時。
一般生徒は立ち入り禁止なのに会長権限で連れ込んで、冊子を束ねたりアンケートをまとめたり色々裏でやってあげたのも私だ。




この困った幼馴染とやっと縁を切れたのは、大学入学で一人暮らしを始めたから。


それからは実家にはあまり帰らなかったから、ほぼ音信不通だった。







だから、嫌な予感がしたのだ。


久しぶりに[めーちゃん、お願いっ]なんて題名のメールを見た時から。




[どーしようっ。男の子拾っちゃった]




何やってんのこの子は!?