まだ名前が呼ばれている中、私の前の席のかなえが振り返って言ってきた。 「まだ見てない…怖くて見れないよ…」 そう、まだ手に持ったまま見ていない。 「だ…桜田!」 「あ、はい!」 かなえが呼ばれて前にいった。 「結菜、見なよ。先生が"大丈夫だからっ"って!」 「…せん、せいが?」 「うん!」 …侑にいが? 侑にいを見ると、目があったがすぐそらされた。 侑にい…。 なんか、自信がわいてきた。