行き先もわからず、窓から変わる景色を見ていた。 小1時間。 「着いたぞ」 「え?」 …旅館? 「旅館?」 「あぁ、大江戸温泉」 「あ、私が来たかった場所!」 「そ」 私が以前、行きたいなぁって雑誌を見ながら呟いたんだ。 侑にい、聞いててくれたんだ。 大江戸温泉は温泉はもちろん。 浴衣姿で江戸の町を楽しめるんだ。