「……ゆきぃ~?…」 寝ぼけた声で返答した。 まだ視界がぼやけている。 「そうよ!雪よ! 電車遅れるわよ!起きなさい!」 お母さんの声が部屋中に響き渡る。 なんだ、やっぱりあれは夢か。 現実の世界に戻ってこれてホッとした。 「ふぁあああ~」 あくびが止まらないわたし。 まだベッドで寝ていたい。 「美夏ったらー!早く行かないと 愛海ちゃんが待ってるでしょ?」 「………ああああ!愛海!」 わたしは飛び起きた。 愛海と朝一緒に 登校する約束をしていたのだ。