戸上:『所で、お前って何処に住んでるの?』
佐倉:『…あの、いい加減 お前って呼ぶのヤメてもらえません?それに…』
戸上:『…じゃあ…塔子でイイな。 』
佐倉:『って言うか、電話切りたいんですけど…』
戸上:『ダメ。元はお前が掛けてきたんだろ? 俺が暇なんだから付き合えよ』
戸上の強引な言葉に押し切られ、二人のやり取りはしばらく続いた。彼は一人暮らしで アルバイトをしながらアトリエに通って絵を描いているらしい。私も毎日アルバイトとスタジオの往復をしていると話すと、彼は嬉しそうに
戸上:『マジで?!仲間じゃん(笑)』
と笑った。しばらく話しをすると、戸上は少しの間をあけて
戸上:『…なぁ…お前って、いま何処から掛けてるの?』
と言った。急な静かな口調に 少し戸惑いながら
佐倉:『…え?…◯◯県の高迫だけど…』
戸上:『◯◯?!それってどの辺?』
佐倉:『かなり北部』
戸上:『マジかよ?!』
佐倉:『上京するお金が貯まるまで 地元で頑張る予定だもん。後少しで上京出来そうだけどね』
戸上:『なるほど。…そっか…それにしても、以外と遠いんだな。俺は◇◎県の大淵って所なんだけど…電波って すげぇなぁ…』
佐倉:『何 急に変な事言って…』