戸上:『お前 ふざけんなよ!イタズラはそっちだろ!!』
佐倉:『イタズラなんてしてないですよ?!…でも…今見たら、確かに発信してるみたいで…』
戸上:『だろ?やっぱりお前じゃねぇか!』
佐倉:『でも、掛けた記憶がないんです』
戸上:『はぁ?』
佐倉:『時間からすると…たぶんバイトの休憩中だから…』
その時 はッとした。仕事の休憩中に 仲間内で占いをした時、並べた数字に似ていたのだ。寧ろ、そのまま 前に『090』を付けただけのような…。きっと 誰かが掛けたに違いない。その経緯を話すと、呆れ声で
戸上:『…馬鹿馬鹿しい…』
と言った。
佐倉:『ごめんなさい。まさか こんな事されてたなんて思わなかったから…』
戸上:『ったく…迷惑だな』
佐倉:『すみません』
戸上:『で?アンタの名前は?』
佐倉:『…え…?』
戸上:『俺は戸上 大介、24歳の画家志望。アンタは?』
佐倉:『…佐倉 塔子、19歳のフリーター。』
戸上:『フリーター?』
佐倉:『バンドやってんの。悪い?』
戸上:『別に悪くはねぇけど…。何怒ってんの?』
別に怒っていた訳ではなかった。ただ、見ず知らずの男の人に何でこんな事を言わなければならないのか 正直 抵抗があった。しかし、戸上は何の抵抗もなく 楽しそうに話しを続けた。