隣のスペース


「じゃあさ…俺が別れさせてあげる。」

ええ??

「そんなこと出来るんですか?」

普通に考えて出来るはずないのに…

ついつい聞いてしまう私…。

だって、凌に変なこと言ったら
琉志先輩、殺されちゃうよ??

「君の彼氏…凌って人でしょ」

「何で知ってるんですか?」

「結構、有名なんだよ。君。」

…そうなの??

「だったら、なおさら凌がケンカ強いってこと知ってますよね?」

凌は、ケンカで負けたことがないって、前、自分で言ってた。

「俺をなめないでよ。俺、こう見えて結構強いんだよ」

琉志先輩がケンカしそうには見えないけど。

「その代わり、お願いがあるんだ」

急に真剣な顔をして、琉志先輩は私の目を見た。

「俺が凌を倒して、君が凌と別れたら…」

別れたら…?

「俺の彼女になってほしい。」

「琉志先輩の彼女…??」

「そう…。そして、元カノを忘れさせてほしい。」

この時に分かった。

琉志先輩は、彼女のことが大好きだったんだ。
そして、今でも大好きなんだ。

私は、凌と別れるということよりも
琉志先輩と付き合うということのほうに意識がいっていた。

自然と嫌じゃなかった。

「分かりました。」

こうして、私たちの恋が動き出した。