隣のスペース


だけど、私には、あまりにも嬉しすぎる言葉だったんだ。

なんでだろう。

今日の私はやっぱりおかしい。

だって、こんなにも涙が溢れるのだから。

急にしゃがみこんで泣き出した私を見て、彼は嫌な顔一つせず頭をよしよししてくれた。

その優しさがまた逆に私の涙腺を刺激したんだ。

どのくらい泣いただろう。

ある程度、泣き止んだ私は、彼にお礼を言うために顔を上げた。

そして、初めてちゃんと君の顔を見た。

「うそ…」

そう、私を慰めてくれていた人は・・・

「琉志(ルイシ)先輩??」

私の学校1のイケメンと言っても過言ではない、モテ男こと滝元琉志先輩だった。

「な、な、な、何で先輩がいるんですか?」

驚きが隠せなくて琉志先輩をガン見してしまう私。

そしてあることに気付いた…。

「琉志先輩…泣いてる?」

琉志先輩の顔が濡れてることに。

「バレちゃった?」

苦笑いしながら、そう言う琉志先輩の目は

笑っていなかった。

「何か…あったんですか?」

遠慮がちに聞く私。
失礼だったかな??

でも、琉志先輩は私を心配してくれたから。

私も恩返しがしたい。

「ああ…実は女に振られてさ。」

オンナニ、フラレタ?

「琉志先輩がですか?」

「まあね。」