それから先の事は あまり覚えていない。 ただ鮮明に覚えているのは 痛みを耐え抜いたに違いない 母らしき死体が、 ベッドに転がっている事と 〝それ〟を、 必死に兄に見せないようにした事。 気付けば 警察がたくさんいて 私は病院にいて 兄もいて 2人ともただ 黙りこくっていた。