コンコン… 今日も、病室へ来た。 母はなんとか仕事へ行っている。 けど、あれから口数が減った。 私は持ってきたフルーツを いつものように置き、 イスに腰をかける。 「お兄ちゃん。 具合はどう? どこか痛かったりしたら 私にいってね?」 「どこも痛くねえよ! 理奈! ありがとな!」 いつもの兄なら こう言ってただろう。 でも… 「…すみません。」 今の兄は、 違う。