死神の嘲笑

暫く立ち尽くしていると、頭の中が揺れた。

――目眩だ。


改めて周囲を見渡していたら、コンクリートのブロックが目に留まった。

ふらふらと地面を踏みながら、そこへ辿り着いた朱理は、腰を下ろす。

地面は何の変哲もない、茶色の土だ。


この場所はドーム施設のような形をしているが、出口は明らかに、見当たらない。

脱出することは不可能だろう、と直感的に思う。

そして、ドームの壁と思われる所々に、時計が掛かっている。


一体、死神は何がしたいのだろう。

座ったことにより目眩が収まった朱理は、考えを巡らせた。