死神の嘲笑

「あなた方は死ぬのが怖かったんですよね?」

死神の質問に誰も声を出すことはできず、黙って頷いた。

「私も怖いんです。もうすぐ、私の命も尽きますから」


窓の外へ、死神は視線を投げ掛けた。


優雅に揺れる、空中ブランコ。

危なっかしげに上下する、綱渡り用の綱。


主がしっかり存在している。