死神の嘲笑

「ええ。よく分からない世界で五日もいたら、疲労は溜まりますよ。ところで、死神さんはなぜスーツなんですか?」

普段より弱々しい臨の言葉に、死神は満足そうに微笑む。

「私の寿命もあと僅か。だから、死神王に好きなことをさせてもらえるようになったんです。次代の死神は優秀で、育成も終わりましたし。それで、友達の墓参りも済ませました」

チラッと死神は朱理に視線を送った。


「で、スーツを着ているんですか? 堅苦しくないですか?」

「現世で調査をしていたときから、スーツは私の憧れの服装でした。タキシードより、魅力的に映ったんです」

「俺はどっちも着たことがないから分からないですけど」