死神の嘲笑

どうやらここは、病室のような場所らしい。

目路に入ってきたのは、二人の男だ。

タキシード姿の男と、普段着姿の男。

何やら言葉のやり取りを交わしていた様子だが、二人が現れると急に会話を止めた。


「よくぞいらっしゃいました。お二人は同時刻に実行なさったようですね」

妙に落ち着き払ったタキシード男に、梓は問い掛ける。

「ここはどこですか?」

「詳しいことは後程。さて、あと一人は最初に到着したのですが、帰ってきていませんね」

すると、もう一人の男が呟くように言った。

「そうか。これで四人揃ったんですね」

不気味なタキシード男が、黙って頷いた。