死神の嘲笑

何もない空間で、一組の男女が漂っていた。


灰色で塗りたくられた世界からどこかへ確実に向かっている、と女は直感した。


それに、もう一人の高校生らしき少年は何者なのだろう。

「あなたの名前は?」

女、三留(みとめ)梓は、隣にいる少年に尋ねた。

「小田嶋友弥(ともや)です。あなたは?」


梓が口を開く前に、二人の身体を、大きな衝撃が走った。