五十代後半である職場の課長・森田は、異様にどもることが多い人物だった。 部下達から『どもりた』と影で呼ばれている程だ。 「佐原君、こ、この書類を頼めますか?」 「はい」 ビクビクしていて、傍から見ると挙動不審者。 だが、臨の前だけでは違った。