死神の嘲笑

大学院に進んだ臨が卒業する頃、菊野は社会人二年生となっており、二人で直接会う機会は減っていた。


それでも、地方公務員の送水課に採用された臨の胸は、希望で満ちていた。


公務員。

安定していた職業であり、自分の父親が就いている職種。

高学歴を望んでいた母親は、父と同じ職業に就いて欲しいのだろう、と臨は直感していた。

第一の階段は昇り切ったのだ。


あとは『親孝行』という次の目標を達成するはずだった――。