「騙されたね。」

にやっと笑うよっちゃんの頭を、俺は叩きまくった。


「ちょっとー!!よっちゃん何、勝手に話作っちゃってんの!?」

「でもホントの事話したら、一番困るのは海人だろ。」


春馬の冷静な突っ込みに、二の句が告げない俺。
…仕方ないから、段ボールをバラし続ける。













「オマエがもっと高く上げないからだろ〜。」
「赤坂がちゃんとガムテープ貼らなかったからじゃ〜ん。」

ユーキと春馬が言い合っている。
この二人、意外と仲良いんだな。ひょっとしたら、文化祭終わったらくっつくかもしれない。


俺は今、春馬が繋げている段ボールを、ユーキと一緒に支えている。
春馬は俺よりも身長が高い。

時刻は午後7時。
俺達はこの作業が終わったら、帰る事になっている。







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