しかも彼女はたまたま、俺のロッカーの真ん前の床に、直接腰を下ろしている。

この教室の床も汚ねぇのに、よくスカートで直接座れるよな…。
呆れを通り越して、もはや感服。


取り敢えず俺は、次の授業を形だけでも受ける為には、彼女に頭を下げてどいてもらわなくちゃならない。




「芹川さん。」

「何?」

「ちょっとロッカーから教科書出したいから、一回どいてくれると助かる。」

「マジで!?ごめんね。」

「いや、謝らなくても…。」


芹川さんは目の前に在った誰かの椅子に手をかけ、一生懸命に立ち上がろうとしていた。




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