「立てるか?」
「はい。………くっ。」
「大丈夫?」
「あっ、…ありがとうございます………。」



まだ少し心臓が痛む。

しかし、すぐそこまで追手が来ているらしい。もうこれ以上ここにいることはできない。




「…行こう。」
「はい。」



でも、この痛みならまだ耐えられる。隣町まで走りきろう…。


そう思ったが、やっぱり足手まといになったらしく、途中からカリレム様に支えられながら走らなければいけなくなってしまった。

私がお守りする立場なのに…。



こんな自分が情けなくてしようがない。