「いやー、ミナトさんがユーリに戻り草の実食べさせられたって聞いたときはびっくりしたんっすからね?ほんと無事でよかったっす!」


ぴくっ、と動く船長さん。
その気配を感じてしんと静まるみんな。
音を立てないようににじりにじりと後退していた私。


船長さんの視線はまっすぐこちらに向いていた。


「あ、ほらでも船長が戻ってる間、面倒見てたのはユーリっすから!」

察してくれたらしいアレンさんがフォローを入れてくれるものの、既に遅い。
むしろ、船長さんにとって私に面倒を見て貰ったということが屈辱的だったようだ。



「束の間の人間生活は楽しかったか?」

「ひっ!」


動けない私に近づく船長さん。

「次は俺が面倒みてやらなきゃなぁ?」






次の日、出発するにも関わらず動けなかった私は荷物扱いをされた。
そう、ペット以下、生き物ですらいさせてもらえなかったのだ。






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