「お姉ちゃん、なんで泣いてるの?」



大丈夫?どっか痛い?だなんて聞いてくるミナトくんはどっからどう見ても普通の小さな子供で。

我慢できなくなった私はそのまま目の前にいるミナトくんをぎゅっと抱きしめた。



「ミナトくん、私がミナトくんのお姉ちゃんになってあげる。」

「お姉ちゃん…家族になってくれるの?」

「うん、家族になろう!」


そう言うと、さらに抱きしめ返してくれたミナトくん。
きっと寂しかっただけなんだよね。

私の腕の中で肩を震わせているこの小さな男の子にとって、私の存在が少しでも支えになれば良いな、なんて思う。

あやすように背中を撫でていると、泣き終えたのかぐっと顔を上げた。



「ほら、行くよユーリお姉ちゃん!」

早くご飯集めよう!なんて元気よく引っ張るその様子に私は笑顔を隠しきれなかった。





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