「いつペットから人間の女に昇格したんだ?」

にこり、と口の両端は上がるものの、目は笑っていない。


わ、私が勝手な行動したと思われてる!?
実際は私の意志なんてお構いなしにこの人が勝手に決めたのに!



「わ、私は………船長さんのペットです…。」




般若のような船長さんが怖すぎて、今だけ……と自分に言い聞かせて言葉に出す。
口に出しただけで、認めてなんてないけどね!


その言葉はちゃんと船長さんに届いたのか、その般若のような顔は私の後ろにいるバンダナのお兄さんに向けられた。




「カムイ海賊団の船長カムイか。俺のペットと結婚するってことは、おまえも同等だよな?」


「俺の未来の嫁をペット呼ばわりってのは頂けないなー。でも今戦っても戦力的にこっちが不利なのは目に見えてるし、今日のところはユーリを預けといてやるよ。」



ばちばちと私を挟んで言い争っていた2人。
人数的に船長さんの方が圧倒的に多いのは確かで、人が傷つくのに慣れていない私としては非常に助かる。

ほっと安堵したとき、不意に頬に柔らかいものが触れた気がした。






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