「おまえ、俺が海賊だと思うか?」
「はい…………!ってすみませんこんな山奥に海賊がいるわけないですよねっ!」
山奥なんだもの。いるとしたら山賊とかでしょ普通!何口走ったんだ私!
間違えたと思って必死に弁解する。
下手なこと言ったら殺されるかもしれない。
必死になんとか起き上がり、逃げ出せないか慎重にあたりを探る。
そんな私にバンダナのお兄さんは近付いてきた。
しゃがみこみ、伸ばされる手。
まっすぐ伸びてきた手に首を絞められることを想像した私はギュッと目をつぶる。
しかし手は、伏せがちだった私の顎をくいっと優しく持ち上げただけだった。
.



