「そんなことも出来ないのか。」 そう責められ、私はたじたじだった。 ことの発端はカムイ海賊団から帰ってきたときだった。 「そういえば、ユーリってカムイだけ呼び捨てで呼ぶんっすね!」 悪気がなさそうに言った、アレンさんのその一言。それにより、船長さんの周りをまとう雰囲気はひんやりとしていた。 「ふーん。じゃあ俺の名前も呼んでみろよ。」 にやりと笑った船長さんに、私の背中には一筋の汗がつたった。 .