「で、でもそれならイレギュラーは私だけじゃないですよっ!」

「は?」


何言ってんだこいつ、みたいな目で見られる。
そんな冷たい視線には負けまいと私は言葉を続けた。



「船長さんも、半分は異世界人なんですっ!」




おでこに手を当てられる。
初めて船長さんから貰った優しさは、なんだか馬鹿にされているような、そんな気分にさせられた。



「私、向こうの世界で船長さんのお父さんに会いました。お母さんの話も聞いてきました。それで、伝言を預かってきたんです。」



「……たとえそいつが本当に俺の父親だったとしても、伝言は聞かない。」


「ええっ、なんでですか!?」


「俺に過去なんてない。今、こいつらがいれば良いからな。」


にやり、と笑った船長さんにきゅんとする。

感動して盛り上がってる団員さんたちを見て、今の船長さんの家族はこの人たちなんだ。そう実感した。






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